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国立病院機構京都医療センター臨床研究センター 予防医学研究室長 坂根直樹 さかね・なおき 1989年、自治医科大学卒業。京都府立医科大学第一内科で初期研修後、地域医療に従事。2001年神戸大学分子疫学、2003年10月より現職。 |
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平成16年の国民健康・栄養調査によると、40〜74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を強く疑われる者又は予備軍と考えられ、その基盤となる肥満対策が急務とされています。
しかし、「体重を減らしなさい」「食事に気をつけなさい」「運動しなさい」など一方的に保健指導をすると、対象者は「食事制限すると力が出ない」「甘いものを止めるとストレスがたまる」「仕事上飲む機会が多い」「運動する時間がない」と言い訳します。これを心理学では「抵抗」(Resistance)とよんでいます。対象者の抵抗がみられた場合は現在の保健指導が上手く進んでいないことを示しています。
抵抗を示す対象者に「そんな生活をしていると将来大変なことになりますよ」と医学的おどしを用いて、行動変容をせまると「今は仕事が忙しい」「何も自覚症状はなく、元気だ」と抵抗が増してしまう場合があります。この抵抗を減らす保健指導を目指したいものです。
肥満者は前頭前野腹内側部が機能低下しているとの報告があります。すなわち、肥満者には言語的な説得があまり向かないようです。言葉であれこれ、説明するよりも視覚的教材や体験学習で体感してもらうことが大切なのかもしれません。
例えば、「20歳から比べると体重がどのくらい増えましたか?」と尋ねてみましょう。「増えたのは体脂肪ですよ」と伝えることで減らさなければならないという思いが強くなります。10kgくらい増えている人には、身の回りの物で10kgくらいの物(お米など)をイメージしてもらうとよいでしょう。我々は体脂肪モデル3kgを見せたり、実際に持ってもらい体重増加を体感してもらいっています。体験学習することで「こんなについてたら膝や腰に負担がかかるのも当然だ!」「生活習慣病予防のために少しでも体重を減らさなければいけないな」という言葉が対象者からきかれます。これが動機づけの言葉です。
対象者のやせる気持ちが高まったら、体重記録をつけることを提案してみましょう。100g単位のデジタル体重計を購入してもらい、1日2回(起床時、夕食後)の体重測定と記録をつけてもらいます。体重記録を太りやすい食べ物(カレーや鍋物など)ややせやすい食べ物を発見する道具として活用することをアドバイスします。体重計にのる習慣をつけることが減量をはじめるきっかけとなります。
「楽しくやる気にさせる保健指導2」に続きます。10月中旬更新予定です。
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