保健指導を考える

第4回「楽しく対象者をやる気にさせる保健指導2」

国立病院機構京都医療センター臨床研究センター
予防医学研究室長 坂根直樹
さかね・なおき
1989年、自治医科大学卒業。京都府立医科大学第一内科で初期研修後、地域医療に従事。2001年神戸大学分子疫学、2003年10月より現職。
国立病院機構京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室長 坂根直樹

楽しく対象者をやる気にさせる保健指導2

一番簡単な食事療法は?

肥満者に1,600kcalの食事指導をすると、「カロリー計算は面倒だ」と抵抗される場合があります。巷では健康情報が氾濫しています。マスコミの健康情報に左右され、健康にいいと勘違いしてマスコミで紹介される食材をせっせと食べて、逆に太ってしまっている人もたくさんおられます。

そういった場合には「どちらがヘルシーなメニュー?」という媒体を用いて説明するとよいでしょう。巷の健康情報に振り回されている人はメニューA(ごはんにゴマ、豆腐半丁、納豆1パック、さばのみそ煮、ヨーグルトにはちみつ、玉ねぎにオリーブオイル)を選びます。メニューB(ごはん150g、豚しゃぶとグリーンアスパラのみぞれ和え、豆腐ステーキ100gと野菜あん、大根のみそ汁、青菜のおひたし、いちご10粒)は500kcalなのに対し、メニューAは倍の1,000kcalとなります。

自分では食事に気をつけているつもりなのですが、実はカロリーオーバーになっているのです。健康にいいと勘違いして食べ過ぎている食品例として、乳製品、青背の魚、植物性油、果物、栄養ドリンク剤、ブルーベリージャムなどがあります。一番簡単な食事療法は健康にいいと勘違いして食べ過ぎているものをやめることかもしれません。

個別指導で限界を感じた場合はグループ指導を併用

個別指導で限界を感じた場合には、グループ指導を効果的に併用するとよいでしょう。我々はグループ指導でやる気にさせた後に、性格タイプ別に個別指導を行うことで減量とそれに伴うリスク軽減に効果をあげています。

まずは基本健康診査を受診した40〜70歳の315名にウェスト周囲径を測定し、上半身肥満者114名をスクリーニングしました.この114名に教室への案内を送付したところ、20名がメタボリックシンドローム(MS)予防教室(お腹すっきりスリム教室)参加を希望しました。最初に参加動機や意気込みについてグループワークし、MSの講義と目標設定、スリム宣言を行いました。2回目からは達成度の確認、空腹時の克服法などについて話し合い、成功者には一言スピーチを行ってもらいました。最後に終了式を行い、記念写真をとります。介入3ヶ月後に体重は平均3.8kg、腹囲は平均6.1cm有意に減少しました。血糖、中性脂肪も有意に減少し、逆に、HDLは有意に増加しました。その結果、MSも半減しました。

楽しくやる気にさせることが保健指導を成功させるコツであると思います。

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