保健指導を考える

第5回「指導と支援1」

禁煙マラソン事務局長
三浦秀史
みうら・ひでし
1997年に禁煙マラソンに参加して20年間の喫煙生活から卒業。現在、禁煙マラソン事務局長、日本禁煙科学会理事として、禁煙の普及活動に東奔西走。慶應義塾大学SFC研究所員、奈良女子大学非常勤講師、宮崎大学非常勤講師。
禁煙マラソン事務局長 三浦秀史

指導と支援1

「特定保健指導」に関して、「指導」という言葉に、違和感を覚えている方は少なくないと思います。私が、メインでお手伝いをしている禁煙も禁煙指導という方が多くいますが、私はことある度ごとに禁煙は指導型じゃなく支援型で行きましょうと強調しています。

さて、あらためて考えてください。みなさんは、日常の保健医療活動の中で「指導」と「支援」について意識して使い分けていますか?「指導」と「支援」をどのようにイメージしているのでしょうか。あらためて、「指導」と「支援」の違いについて考えて見たいと思います。

従来の医療(治療)は指導型

治療のための医療の提供は、疾患の治癒が目的でありそこには専門技術を欠くことが出来ません。そして、患者側も医療者に治してもらうんだと受身の姿勢で医療とかかわります。ここには、医療の提供者と受益者の関係が生まれます。受益者である患者は、完全に医療者に結果をゆだねます。したがって、結果責任を医療者が負うわけですから、結果を最良に導くために、「○○しなさい」「○○は止めておきましょう」と患者側の行動をコントロールする必要が出てきます。これが「指導型」のイメージです。

予防は支援型

特定保健指導、禁煙など予防医療にとって、重要なキーワードは、行動変容です。

積極的支援、動機付け支援の中で、皆さんからの情報提供が支援を受ける人の心の中で咀嚼され、その人の判断基準で取捨選択され蓄積されます。そして、蓄積されるうちにその人の判断基準が変わるというスパイラルが起きます。その結果として、行動形成されるということが行動変容のステージアップと言えるでしょう。このプロセスにおいて、支援する私たちは支援を受ける側の行動や判断を一切コントロールするのではなく、支援を受ける側が考え、自分のものにするお手伝いをします。まさに、行動変容の「支援」を提供することになります。

行動変容のヒントは消費者行動にあり

ソーシャル・マーケティングなど、ビジネスで行われて来たノウハウを医療界に持ち込むといったことが多くなされています。行動変容に関するヒントを消費者心理から見てみるとまた違った視点での発見があると日ごろから考えています。次回では、行動変容を消費者心理から見るということをしてみたいと思います。

「指導と支援2」に続きます。11月中旬更新予定です。

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