1つは、特定健診・特定保健指導の実施をどうやっていくかを議論すること。そして、もう1つは、「来年度から健診の方法が変わります」ということを、住民や被保険者・被扶養者に啓発していくことです。
特定健診・特定保健指導が導入されて、健診制度が大きく変わるということを、どうやって知ってもらうか。来年の自分の健診はどうなるのかを問い合わせて確認するぐらいの関心をもってもらえる工夫が必要です。企業などで働いている人たちは労働安全衛生法の健診が優先されるので、事業主健診をきちんと受けると思いますが、家族の健診がいちばん今までと仕組みが違うところですから。被扶養者の方へ、これをどう伝えていくかがポイントになりますね。健診を受けてもらうために、こうした人たちへどんなメッセージを送ったらいいか、いろんなアイデアが必要ではないでしょうか。
健診受診率を上げるには、1つは住民への啓発、もう1つは受け皿づくり、この2つです。たとえば、健診をどんな方法で行うのか。もし健診日が1日しかなかったら、健診を受けてほしいというメッセージがあまり伝わってきませんよね。健診を受けてほしい対象者に、「こういう目的で健診をやる」とか、「来年度からは健診のシステムが変わるので今年はまず健康をチェックしてほしい」といったメッセージを伝えていくことが、受診率を上げることにつながると思います。
とくに今回の健診の対象者である40代、50代、60代前半までの人の受診率をどうしたら上がるのかをよく考えてもらいたいですね。40代、50代、60代は、健康だと思っているから、なかなか医者にも行かない。どうすれば、そういう人たちが気軽に健診を受けられるか、そういう仕組みづくりもすごく大事だと思います。たとえば、献血車は何かイベントがあると行くでしょ。あのように「あ、そこにあるなら、ちょっと行ってみようかな」という感覚で受けられるようにすることも、ひとつの方法かもしれません。
いま、日本人は、健康に生きることの大切さを感じ始めている、と思います。今までは健診結果を見てもわからなかったけれど、保健指導を受けでデータがよくなり、スマートになり、若返ったと実感できれば、保健指導を受ける人は増えていくと思います。
保健指導者は、足元をしっかりと固めながら、「これはいいわ」と口コミで広がっていくような保健指導をめざしてほしいですね。
生活習慣病の予防は暮らし方や生き方そのものであり、食べることや動くことの意識改革は、自分の職場の中や、行政や保健医療者の中だけでは完結しないものです。スポーツ施設などの社会資源や学校、マスメディア、地域・職域、そして企業など、いろいろな人たちがかかわって初めて達成できることでしょう。そういう意味でいうと、今までの保健や医療、行政などの人の考え方だけではなく、こうした人たちと一緒に健康や予防を考えていける時代になったというのは刺激的ですね。みんなで、新しい保健指導をつくっていきましょう。
「できない」「やれない」でなく、「どうしたらできるか」という前向きな発想と、保健指導に対して真摯な発言と行動力が津下先生の大きな魅力です。掲載内容以外にも医療保険者の役割や実際の保健指導についてなど熱く語っていただきました(スペースの都合上カット。すいません)。お話を聞いていると、津下先生の心意気に、こちらも熱くなってしまいました。
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