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財団法人結核予防会常任理事 第一健康相談所長 生活習慣病予防センター長 生活習慣病研究センター長 岡山明先生 昭和57年大阪大学医学部卒業後、滋賀医科大学助教授、岩手医科大学教授、国立循環器病センター予防検診部長を歴任。平成19年7月より現職。予防を重視した保健指導という観点から国保ヘルスアップモデル事業における個別健康支援プログラムの開発・実施、事業の分析評価を行い、効果的な保健事業に取り組む。専門は生活習慣病、特に高コレステロール血症、糖尿病、高血圧の予防と禁煙教育。循環器管理研究協議会理事、日本疫学会理事。 |
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これまでの老人保健事業は、歴史的にみると、結核対策の次に起こった日本人の圧倒的なリスクだった高血圧(富士山型リスク)の改善が中心で、非常に限られた目的でスタートしたものだったんです。ところが、段々と日本人の高血圧の相対的な重要度が下がり、リスクが分散したもの(八ヶ岳型リスク)に変わってきました。それに伴い老人保健事業にもさまざまな検査項目が導入されてきたのですが、その一方で対策の考え方自体は変わらないままでした。
私たちが第4次計画(平成12年度)のときに、生活習慣病対策として、重点支援によりその人の生活習慣を変えていく手法として個別健康教育を導入したときも、結局古い方法論に乗っかっている形で、矛盾が生じたままだったんです。
今回の改正は、古くなってしまった考え方を組替えて「生活習慣病の視点」でスクリーニングをして、サポートするという新しい仕組みをつくったことがポイントです。
生活習慣を構成する複数の要因と病気との関連を明らかにして、それを予防することで、医療費を抑制しようという考え方自体は以前からあったものですから、改正は必然的なものだと思います。
メタボリックシンドロームに着目したことには、良い面と気をつけなければいけない面の2つの面があると思います。もともとメタボリックシンドロームは、循環器疾患のハイリスク者を特定するためのものです。リスクの高い人を求めるときに、内臓肥満という概念でリスクファクターの集積を説明したのですよね。これはもともと医療の概念で、予防の概念ではないのです。
生活習慣の改善が医療の重要な中核になっていることを示したことは大変良いと思うけど、医療の概念であるかぎり予防の概念と相容れないところがあることに注意が必要です。
たとえば、特定保健指導は太った人に指導することが中心になっていますが、予防とは、本来太る前から太らないようにすることではないでしょうか。
メタボリックシンドロームという医療の概念だけを押し通すと、結局悪くなった人だけ保健指導をすることになる。本当に悪くならないようにする保健指導とはなにか、について考えていく必要があると思います。太ってしまってから対策をするだけでなく、太りそうになっている人への対策をする。
つまり“メタボリックシンドロームをキーワードにした保健指導”であって、“メタボリックシンドロームの保健指導”ではないということを念頭において保健事業をすることが成功への鍵の一つだと思います。
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