特集-インタビュー

第2回 岡山明先生が語る 保健事業を成功させるための戦略<前編>

岡山明先生インタビューつづき

では、保健事業を成功させる戦略としては、どのようなことを考えられていますか?

保健事業の成功のためには、3年後、5年後を読んだ枠組みを議論すべきだと考えています。全体の枠組みをどうするか。複数の戦略をどう組み合わせるかということが大事です。
時間軸としては、保健指導を何年計画でやるかを考えて、とにかく健診受診者全体にどうやってサービスするかを考えて、計画を立てる。

たとえば、地域だったら、地区別にやっていくことも一つの方法です。年ごとに重点地区をつくって、そこに持てるエネルギーを全部注ぎ込む。まずは5分の1の地区に対して介入をしていく。そうすると、受診率30%だったところが、婦人会や地区役員を通してアピールしてもらい、受けなければいけないなという雰囲気ができてくれば、受診率が60%、70%になっていきます。ただ、単年度における全体の受診率の向上は10%ぐらいにとどまるわけです。
1回働きかけをしてうまく乗り切れたら、2年ぐらいはそんなに下がらないじゃないですか。そうしたら次は、隣の地区に行って、また同じようにやる。こうして5分の1ずつ耕していったら、5年後に全体として受診率が6割ぐらいに達してゴールすることができると思います。


先生ご自身で戦略として考えていることはありますか?

私はもっと健診の場を生かすこと、健診自体を保健指導の場と位置づけていくことが必要だと思っています。なぜなら、特定健診・特定保健指導で、唯一全員面接できるチャンスはここしかありません。ここで保健事業の趣旨とか、プログラムはこんなことをやるとか、あなたはこういうところに問題があるけどどうですかというフォローアップや本人の情報収集をすることができる。それができていれば、いくらでもあとは手を打てるでしょう。


岡山先生が保健指導の未来図として描いていることはありますか。

財団法人結核予防会常任理事 岡山明先生 保健指導における重点支援の有効性などはたくさん出るようになってきたし、保健指導の現場では、実際にできるような社会的土壌は育ってきたと感じています。ですから、次に考えたいのは、社会システムとしての有効性です。つまり、その集団に対して、本当に効果のある介入が可能なのかどうかを研究しなければいけない時期にきたのではないでしょうか。たとえば、忙しくて来る暇がない人、あまり関心ないという人、がんばれるという人、いろいろな人がいるわけですよ。そうすると、単一の介入手法では、絶対に「帯に短し、たすきに長し」になる。だから、リスクに応じた支援だけでなく、その人の状況やステージに応じた支援を3種類ぐらい用意して、それをうまく組み合わせることで、保健指導の普及率をあげることができるのではと思っています。

「保健事業を成功させるための戦略<後編>」に続きます。9月中旬更新予定です。

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