特集-インタビュー

第4回 井伊久美子先生が語る 小集団活動を活用した保健指導とは

井伊久美子先生インタビューつづき

これから大切なのは保健師のネットワーク

保健師(保健指導実施者)は、平成20年度からの特定保健指導をどうとらえたらよいと思いますか。また井伊先生はどのように考えていらっしゃいますか。

生活習慣病予防とは、保健師が本来持つ「予防活動」という専門性を最も発揮できる領域だと思います。病気の人と違い、保健指導は自覚症状のない人たちが対象ですよね。必要性を感じていない人たちにかかわるということは、難しいことではありますが、そういう難度の高いことに挑戦していくということを再認識することが大事だと思います。

それから、かかわる対象は「生活習慣」ですから、付き合いがある、仕事があるなど、対象者個人だけでは解決できないところもあります。個人と社会、個人と環境との関係を見ながら、地域の健康づくりを考えていくという専門性をここで発揮できるのもやはり保健師だと思います。

社団法人日本看護協会常任理事 井伊久美子先生これまでは地域の保健師だったら、健診から結果説明、事後フォローという、自治体の事業担当として全部一貫して行うことで、専門性を発揮できたわけです。ところが、特定保健指導になると、一部がアウトソーシングされたりして、これからは分業になっていくでしょう。だから健診や保健指導を受ける側は、サービスを受ける機会やサービス内容が充実しますが、保健指導実施者側からすると、分業体制になっていくので、民間、行政、また職域の保健指導実施者同士が、いかにお互いにコーディネートできるか、そして保健指導技術をお互いに交換しながらできるか、というようなことが課題になってくるだろうなと思います。

さらに、保健指導はワンパターンではなく、保健指導技術を開発・実践し、検証することを繰り返しながらやらなければいけません。それは同時に、自分たちの保健指導技術をどんどん研さんしていくチャンスだと積極的に考えていきたいし、そういった意味においても保健師同士が組織的なつながりをもって情報や技術を共有していく場が必要不可欠なものになってくるのでないでしょうか。そんな保健師のネットワークづくりも、また日本看護協会の重要な役割であると考えています。


取材後記

「いったん生活習慣が変わり、健康的に自立したように見えても、2〜3年すると戻りそうになります。そのときに、修正しようとご自分で判断できるようになっている」そんな保健活動が大切、と井伊先生は語られていました。対象者の行動変容を短期に結果を出すだけでなく、長期的な視点で対象者をとらえ、対象者の力を信じて支援を行おうとされているのがとても印象的でした。

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