特集-インタビュー

第5回 水嶋春朔先生が語る いま求められている特定保健指導の“コンピテンシー”とは

水嶋春朔先生インタビューつづき

保健指導実施者の立場では、どんな能力を身に付けていくことが大切だと思いますか?

国立保健医療科学院人材育成部長 水嶋春朔先生 技術的には、「教え込む=ティーチング」ではなくて、その人の持っているものを「引き出す=コーチング」にシフトしていくことです。もとからそういう資質がある人はいますが、きちんと訓練することが必要だと思います。

そして、対象者とコミュニケーションをとる力、糖尿病の血糖値が高いのはどういうことなのかを対象者にわかる言葉で腑に落ちるように説明できる力なども養っていくべきでしょう。

生活習慣の改善を実践につなげるために大切なのは、実施者と対象者と信頼関係をつくること。この実施者だったら、3か月、6か月、ちょっとがんばってみようという気持ちにさせられるかどうか。それが問われていますから。対象者は、この人は保健師だから、管理栄養士だから、ついていこうと思っているわけでは全くありません。ライセンスの上にあぐらをかいていてはいけません。


メタボリックシンドロームに着目した保健指導という点において、すべきこと、学んでおくべきことはありますか。

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満プラスリスクファクターの病態ですから、医療面での理解が欠かせません。ですから、医療管理下でどういうことをやっているかを知っている人と協力する必要があります。

例えば、保健指導はアクセルだけではなくて、ブレーキを踏むことも必要です。実際、三重県伊勢市の課長さんがメタボ解消に取り組んでいて残念ながら亡くなりました。やっぱり40代、50代で、ふだん運動していない人で根がまじめな人ほど、がんばって無理してしまう…。そのときにやっぱりちゃんとブレーキを踏んで、「月に5キロの減量は危険ですよ、1〜2キロにしましょう」と言うことも必要です。医療的な理解が非常に求められますね。臨床医と定期的な勉強会をしたり、糖尿病外来で長く働いている看護師さんから教わったりするなども、保健指導のスキルアップにつながると思います。

あとは、最近まとめられた、「健康づくりのための運動指針2006」「食事バランスガイド」「禁煙支援マニュアル」などを厚生労働省のHPからダウンロードして、しっかり勉強し理解することです。


バックナンバー