保険者機能の出発点は、互助会です。加入者からお金を集めて、病気になった人がいたら、集めたお金から出すしかけです。集めた人はみんなが病気にならないように予防対策つまり保健事業をするというのが本来の姿です。それを今までやってこなかったわけです。ところが、今回の健診・保健指導では、保険者ごとに5年ごとに健診受診率、保健指導実施率、該当者・予備群の減少率の指標に事業が結果をだしたかどうか評価されます。保険者の実施事業として位置づけられた意義は大きいと思います。
しっかりと保険者機能を理解している保険者は、すでに生涯医療費を減らすために、どう手をうつかといった視点で準備をすすめています。30代、40代、50代にきちんと生活習慣を改善しておけば、74歳までの生涯医療費が減るから、我々は加算・減算措置で加算組にならないですむと。これからはそういう発想で、保険者がそれぞれ知恵を出していくことになるわけですから、予防の効果はとても高まっていくと思います。どういう仕掛けをしたら、5年後はどうなるか。保険者にとって力の発揮のしどころですよ。
保険者機能でやるべきことは、まず現状把握とこのままだったらどうなるかというシミュレーション、それに基づいたプランニングです。これを担う立場の人はとてもやりがいのある仕事になると思います。今回の改正を包括的生活習慣病予防対策のための知恵を出す良い機会と考えていきましょう。
実際に、薬でコントロールするよりも生活習慣を改善するほうが合併症・重症化の進展が少なくてすむというエビデンスがあります。ですから、必ず各臨床・診療ガイドラインも非薬物療法、生活習慣の改善を3か月から6か月間は行いましょうと書いてあります。ところが残念なことに、生活習慣改善の保健指導に対する診療報酬の点数が少ないことなどから、今まで医療現場では生活習慣改善を促す保健指導はあまり頻繁には行われていませんでした。
それを今回保険者の実施義務として健診と保健指導を位置づけたことで、保健指導がきちんと実施されるようになるわけです。保健指導による生活習慣病の予防、改善の効果はとても期待できると思います。
水嶋先生に公衆衛生を専門に選ばれた理由をお尋ねしたところ、「あまり多くの人が責任をもってやっていないから! 日本は予防可能なところをまだ予防していない。その予防する仕掛けをつくって結果を出すというのはすごくインパクトのある仕事だと思うんです」とのこと。
やはり、全体をみて、効果的な保健事業を企画し、効果的な特定保健指導をすることはインパクトのある、やりがいのある仕事なんですね!
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