Dr.坂根の健康検定〜脂質異常版〜 坂根直樹

特定健診、特定保健指導において、メタボや血糖、血圧と比べ、いまひとつ主役の座にいなかった「脂質」。今回の連載では、「脂質」についての知識を、わかりやすくご紹介します。

まずは選択制のクイズに挑戦してみてください。講師の坂根先生が、素朴な疑問に答えながらクイズの解説をします。
全問正解すれば、あなたは脂質博士!?

第12幕 「卵とコレステロールの関係は?」

健康検定

  • ◎質問:
    カレーパンの名称は?

<選択肢>

  • 1.
    調理パン
  • 2.
    惣菜パン
  • 3.
    油菓子
K子

「坂根先生、教えてほしいことがあって・・・」

坂根

「どうしたの?」

K子

「卵のことを教えてほしいんです。」

坂根

「鶏が先か、卵が先か?(Which came first, the chicken or the egg?)」

K子

「じゃなくて、卵とコレステロールの関係なんです。今まで、コレステロールの高い人に卵を減らすように言ってきたのに、ニュースでみたら、あまり関係ないって・・・」

坂根

「確かに、米国の食生活ガイドライン諮問委員会(2015年)で、今までのコレステロール制限(1日に300mg以下)の勧告が撤廃されたのが、ニュースになっていたね。」

K子

「それそれ、今まで卵を減らしてください、って指導してきたのに・・・本当のところはどうなんですか?」

坂根

「確かに、卵を食べるとコレステロールは上昇するけど、食べ過ぎなければ死亡率に大きな影響は与えないようなんだ。」

K子

「卵の食べ過ぎって、どのくらいからなんですか?」

坂根

「女性なら1日に2個以上、ってとこかな。」

K子

「それなら、1日に1個程度なら、大丈夫ってことですね。」

坂根

「そうだね。コレステロールの吸収率には個人差が大きいことがわかっているので、食べ物のコレステロールを減らしたら、血清コレステロールが下がる人は減らしたほうがいいと思うけど、でも、そうじゃない人もいるしね。」

K子

「なるほど。」

坂根

「コレステロール以外にもっと気をつけてほしいことがあるよね。」

K子

「それは何ですか?」

坂根

「飽和脂肪酸だね。コレステロールが気になる人には洋菓子、チョコ、菓子パン、そして肉の脂身などに気をつけてもらうといいよ。」

K子

「なるほど。」

坂根

「他には、トランス脂肪酸。日本のメーカーは企業努力でトランス脂肪酸含有を減らした食品が多くなってきたけど。」

K子

「きたけど?」

坂根

「外国製品は要注意。特に、海外旅行のお土産のお菓子にはトランス脂肪酸が多く含まれているかも。必ず、栄養成分表示はチェックしてね。」

K子

「飽和脂肪酸とトランス脂肪酸ですね。ところで、オメガ3って何ですか?」

坂根

「それは、またの機会に。」

K子

「またって、いつ・・・」

健康検定

  • 正解は
    3.油菓子

解説

食品の包装に記載されている栄養成分表示をみると色々な情報(エネルギー、炭水化物、たんぱく質、脂質、食塩相当量)が出ています。さて、カレーパンの名称は何でしょうか。私は調理パンや総菜パンだと思っていました。答えは「油菓子」。「ドーナツ」などの記載があるものもあります。

<文献>

  1. Nakamura Y, et al: Egg consumption, serum cholesterol, and cause-specific and all-cause mortality: the National Integrated Project for Prospective Observation of Non-communicable Disease and Its Trends in the Aged, 1980 (NIPPON DATA80). Am J Clin Nutr. 2004;80(1):58-63.
  2. Rouhani MH, et al: Effects of Egg Consumption on Blood Lipids: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Clinical Trials. J Am Coll Nutr. 2017 Nov 7:1-12. doi: 10.1080/07315724.2017.1366878. [Epub ahead of print]
  3. Cheng C, et al: Validation of the dietary risk assessment food frequency questionnaire against the Keys score for saturated fat and cholesterol. J Nutr Educ Behav. 2005;37(3):152-3.
著者 坂根直樹(さかねなおき)

著者プロフィール

坂根直樹(さかねなおき)

独立行政法人国立病院機構京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室


連載終了のお知らせ

『Dr坂根の健康検定 脂質異常版』は、今回で連載終了となります。

メタボリックシンドロームに着目した場合、脂質異常に関しては中性脂肪やHDLコレステロールが問題となりますが、非肥満の対象者を含めると、単独で動脈硬化の促進に関わるLDLコレステロール(およびNon-HDLコレステロール)に関しての指導も重要になってきます。

この4月からの特定健診・特定保健指導の第三期では、非肥満で詳細な健診項目の対象者となった方への指導・支援の機会が増えてくるかもしれません。

この連載が、そのようなときの指導や、新たな学び直しなどに役立てば幸甚です。
ご愛読ありがとうございました。

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